息子の帰還

まんまる満月庵の植木です。

 

今日は子供の日ですね。

 

 

私のこどもたちも元気ですが、とりわけ千葉から

長野県安曇野の地球宿に一人旅で行っていた息子(小6)が帰ってきました。

 

宿のお手伝いスタッフとして、友人のBOUさんに受け入れてもらっての旅です。

 

 

改札に現れた我が子の顔を見て、おそらくどの親御さんも感じるであろう

息子の自信に満ちた顔に私も喜びを感じました。

 

帰りの車で、いつも寡黙な彼がずっとしゃべっていました。

 

 

スウェーデンから来たお客さんのデイビットという旦那さんと、奥さんの○○と子どもに

一人で温泉に案内したんだ…日本語がしゃべれなかったけど、身振りでタオルの使い方も

教えて一緒に入った…帰りに牛乳おごっちゃったよ…とか。

 

スタッフのしゅうまくんとナウっていう外国から来た20代のスタッフと仲良くなったんだ…とか、

 

農作業をしてて、ネズミの穴を見つけて荒らされてたから穴ごとやっつけた!

じいちゃんがセメント買ってくるって言ってたのはビビった!

 

ちゃんと食事の準備とかやったんだよ…

 

北アルプスがきれいでずっと見てたかった…

 

日本のミサイル防衛の仕事をしてるお客さんがいていろいろ聞けたよ!

 

○○さんちの○○ちゃんってちっちゃい子がかわいかった…

 

そもそも電車も全然迷わず安曇野に行けたよ…とか

 

 

次々出てくるエピソードに、ほんとお客さんもスタッフさんともみんなと仲良く過ごして

磨かれてきたのがよくわかりました。

 

小学生の彼が素敵な大人たちに出会う経験、そして仕事を任せてもらう経験は

彼のこれからの人生にとって、何にもまして大切なことのように私には思えます。

 

 

 

私自身もこの5つ位年上のBOUさんが主催していた企画に

ちょうど大学生の頃参加して、北海道で牛の角切り(つのきり)の経験をさせてもらいました。

 

ある程度大きくなった牛は、互いに傷つけないよう大きなはさみで角を切るのですが、

角の真ん中に血管が通っていて、はさみで切るとそこから噴き出したように出血するのです。

それを焼きごてでジュっと焼いて止血するのですが、暴れたり失敗すると牛の命に係わる仕事です。

 

それを、ど素人の私達にさせてもらうということがありました。

 

その酪農の農家の方にとっては大切に育ててきた牛です。

 

「お前ら若者が次の世代を担うんだ!任せたから真剣にやってくれ」と

その牧場長のおじさんは言い、私たちはそれまでの人生で最も真剣に

その牛たちの角切りをしました。

 

暴れる牛を体ごと全力で止め、切り、止血する。

 

その懐かしい記憶が私も甦りました。

 

 

BOUさんの宿にとってもきっと同じこと。

 

外国から来た言葉の通じない温泉初めてのお客さんを、小6の子供に「お前任せたぞ!」と言う。

いくらアットホームな宿とはいえ、そんな気軽なことじゃないのはわかります。

信じてチャレンジさせる。

 

場を用意する。

 

それぞれの育ちにとって、必要な環境を用意する大人たち。

昔から変わらないなあと思いながら、さすがやなと思いました。

 

小さな古民家の宿で、一晩に22人が泊まったと息子が言っていました。

 

何を求めてお客さんはあの宿に行くんだろう?

 

 

サービス至上主義みたいな世の中で、

色々な人を受け入れ、交わり、それぞれがその持ち味を語り合い、

出発する場所。

 

老若男女、世界中から訪れる宿ですが、その中に1人我が子も交じることができて、

影響しあって帰ってきました。

 

 

この夏にも、またお手伝いに行きたいとのこと。

英語を勉強したいとのこと。

 

こうして自然に育つ彼と交じり合って、我が家もまた出発するんだなと思いました。